まこっちゃん

ダークナイト ライジングのまこっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

バットマントリロジーの最終作。

全2部作は、ブルースの人としての成長が強調されてたけど、今作は彼の人間性の成熟が描かれているように感じる。前の2作では、良くも悪くも自分のことしか考えられていなかった彼が、今度は周りの人たちや、生まれ育って街を守るためにふたたび立ち上がる。

ブルースは、今作でだいぶ追い込まれる。無一文になり、敵に背骨をおられ、奈落に突き落とされる。お金持ちのお坊ちゃんだから、こんなことあったら心が折れそうだけど、自分の故郷や周りの人を救うため、己を鍛え直し、這い上がり、戦う。

故郷とは、どのようなものであれ、かけがえのないものである。それがたとえゴッサムのような犯罪、汚職に塗れた街であろうとも‥。ブルースは奈落で人生を終えてもよかったし、逃げることもできた。それでも、核爆弾を自分で操縦したモービルで海まで運び、自らの命を危険に晒す道を選ぶ。

極め付けは最後。自分の執事であり、親代わりでもあったアルフレッドに心配をかけないためにバットマンは引退したもの、ちゃんと後継者を選ぶことで、ゴッサムを守り、また、彼に自分の無事、(あとちゃんと恋人もいること)を知らせるため、ヨーロッパのカフェで彼の目線の先に座る。シャイでかっこつけたがりな彼だけど、彼なりに気遣いができるようになっている。

ヒーロー映画でこんなに人間味溢れる感じに仕上げられるのも、バットマンというある意味生身の人間が戦っているからこそだろう。2時間半と長いけど良い作品。