単体の作品としては疑問符も多いが、「三部作を畳む」という意味だと完璧ではないだろうか。
終盤に起きたツイストのポッと出感とか、有名な問題点である暴徒と警官の衝突で誰も撃たない件とか…前作と打って変わってトホホな点はかなり目立つ。
なんというか、かなり現実離れした展開なのに、作風としてはリアル志向な面を捨てられておらずチグハグになってしまっているなと。それによって詰め切れていない部分への違和感が許容範囲を超えてしまったのだと思う。
けどアンハサウェイのセリーナとJGLのジョンという2人の新キャラは、それぞれ「アンチヒーロー」と「若きヒーロー」として、今までにない立場・立ち回りで盛り上げてくれていた。
特にジョンは老いを抱えたブルースとゴードンに相対する若さから来る勢いと、それ故の苦悩が描写されていて、三部作の最終作にも関わらずフレッシュさがあった。
そしてなによりも映画としてのルックが最高級なのは不変ですわ。
「魅せかた」を知っている監督は全員好きです、それこそが芸術作品だから。
三部作としてなかなか流れの汲みづらい1作目の要素が多分にあるのも良かった
…というかそうなったのには、2作目の「ヤツ」が居なくなってしまったのもあるけど。
懸念していた尺の長さも見ている間は全く気にならなかったし、むしろやり切るにはちょうどいい尺だったと思う。
花火のあとには何が残るのか。
様々な懸念点はあれど、2作目を筆頭としたこの三部作が不朽であることには変わりない。