とり

プライマーのとりのネタバレレビュー・内容・結末

プライマー(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

徹頭徹尾インディーズ映画の気配でいっぱいだった。
つねにぶれてるカメラ、物凄く不思議な構図、淡々と飾らない出演者たち。静かで地味なんだけど妙なパワーを感じました。
ストーリーははっきり言って全然わからん!
主演の人(黒髪の方)が監督・脚本もこなしたらしいけど、きっと物凄いオタクなんだろうな。頭の回路がかなりぶっ飛んでて、我々一般人にはもっともっと噛み砕いて説明してもらわないとわからないシーンでいっぱいでした。
物理の難解な理論について噛み砕いてくれっていうんじゃなく、ストーリー展開がまるでわかりません・・・。
瓢箪からこま的にできたタイムマシンを駆使して、ちょっと株で儲けてやろうウヒヒっていう展開はわかったけど、その後のアクシデント発生からエンドにいたるまで、すっごい置いて行かれた。
しかも途中でアレがこうだからこうなって・・・と考える暇を一切与えてくれない!もうどうしようもないほど次から次へと難題が襲い掛かってきて、考えるのを放棄してしまいましたよ。
私ってここまで映画を観る能力がなかったんか、とちょっと落ち込みぎみ。
まぁストーリーについて理解するこだわりさえ捨ててしまえば、映像や小道具などにちょっとした新鮮さがあふれていました。
大きなところではタイムマシンの映像。一般的なイメージとしてはなんか乗り物に乗って周囲の空間と隔離されて移動するとか、CGで幾何学模様っぽいイメージ空間が作られたりとか、かなり未知のものに対する視覚効果が使われるのが多い。
この映画では予算の都合が関係しているのは間違いないけど、正直これまでのタイムマシンに対する概念が覆された感じ。
まさか棺おけのような箱に入ってじっと眠ってやり過ごすなんて・・・。
それまでに無重力実験をしてたり酔い止めの薬を飲んでたりするところから、狭い箱の中はちょっと弱い重力空間になっているのかなぁとか楽しく想像できました。
このマシン以外にも中で何が起こっているのか激しく見たい気持ちをかきたてられる演出が多々。
難解すぎるストーリーにしがみつく気力さえ失くすほどなのに、最後までぐいぐい引っ張っていく手腕は普通じゃない。
この主演の人、科学以外の才能にも恵まれてるような気がする。イケメンだし!
とり

とり