爆笑。この一言で事足りる。やはり、この監督は確信犯だった。シリアスで暗い内容なのにゲラゲラ笑いが止まらない!
私はリアルタイムで本作を劇場で観たクチだが、上映終了後にあまりのくだらなさにキレた女性が「この映画カラだわ!カラ!」と叫んでいたのが印象的。
くだらなさを売りにする横浜聡子監督だから、別に怒って批判するほどのものではない。前作『ジャーマン+雨』と大して変わらん変人大集合といった趣。ほろ苦いコメディ。
パンフレットで音楽家のやくしまるえつこが寄稿した文章が的を得ていると思った。やくえつと横浜聡子。このコンビネーションは合ってる気がする。
主演の松山ケンイチが狂気じみた(と同時に愛らしい)青年を見事に演じ切っており、麻生久美子はそんなキ○ガイな彼を見守る役。トチ狂ってる割には冷静沈着なヒロインは横浜監督の分身かと思われる。
狂った田舎に固執する辺り、山下敦弘の『松ヶ根乱射事件』と被る雰囲気がある。大傑作とまではいかくとも、観て損はない青春おバカ映画の逸品。