ラジオ子ちゃん

監督失格のラジオ子ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

監督失格(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

前半の自転車横断ドキュメンタリーは、
妻がいながら、由美香と付き合えて、作品まで撮れて浮かれてる平野さんがうざかった。
そんな中、妙に客観的な由美香。
『幸せ』って、幸せは幸せだろうけど、この人とは結ばれないんだろうなと思いながらの『幸せ』であるようにみえる。

別れてからも二人のやりとりはつづき、
亡くなる前に最近の彼の愚痴をこぼしている時、
それはそれで魅力的なんだけど
あの時のような客観性が由美香にはない。
『私、まだイイ女だよね?』平野さんに送っていたメール。
少なくとも、平野さんと付き合っていた時の自分は、イイ女だと思えていたんだと思う。
その事実を知ってくれている平野さんに聞いてもらいたいと言う気持ちも分かる。

由美香のせいで撮れない、を
由美香にすがる自分のせいで撮れない、に気づくまでの作品。
作品として昇華する。自分自身の許しを得る。
そういう作品が大好き。

前半、由美香。後半、ママ。
この作品は2人の女性の生き様を平野さんが遺してくれている。
『愛してるよ、って由美香が生きている時も言ってたけど、今はうちの若いもんに言ってる。ハグしたりね。』と由美香ママ。
ママはラーメン屋を立ち上げた社長さん。

ママが娘の死を受容していく過程は、
あんたにも迷惑かけたね、ところであんたは大丈夫なのかい?とでもいうようにやさしい表情で
平野さんを労うようだった。
この作品は2010年のもので、ママはその後2013年に亡くなったそう。

由美香が飼っていたわんちゃん、がんもが無事でよかった。
ふと、自分に突然なにかがあった時の猫を心配して病んでいたら日が明けた。