朗らかなこっぺ

パルムの僧院の朗らかなこっぺのレビュー・感想・評価

パルムの僧院(1947年製作の映画)
3.4
 なぜスタンダール作品の映像化でジェラール・フィリップ主演が多いのかというと、スタンダール作品の主人公はいずれもやや粘着気質というか偏執的な部分があって、ややもすると拒絶につながるものを彼の爽やかさが打ち消して、等身大の苦悩する青年を見事に体現できるためだと思う。
 本作も何故一人の女性にそこまでこだわるのかと思わずにはいられないが、彼が演じることで謎の説得力が生まれ、「恋は盲目」を貫く青春の愚かさと切なさを劇的に描くことに成功しているように感じられる。