Hayato

誘惑のアフロディーテのHayatoのレビュー・感想・評価

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)
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誕生日に生まれ年の映画を、それも愛してやまないウディアレンの映画を観ることになるとは思わなかった。

もちろん彼のベスト作品集に入るようなものではないしこの頃はミアファローとの問題も多々上がってくるので、ハードな時期のはずなんだけど養子の話にいつもの男女関係の話、それとこの少し前からやっていた舞台に対する探究が上手くミックスされてる。ウディは毎回新しいこと、その時その時自分の興味あることをどんどん取り入れた上でウディアレンだから楽しい

ギリシャ演劇を下敷きにした話だから最初に演劇合唱団が出てきて、途端にNYに移る。全体を通してこれが繰り返されるわけだけど、違和感と滑稽さとシリアスのバランスが彼をユニークな天才たらしめて、それでいておそらく何よりウディの最大の悩みでもあることを考えると面白いよね。

最後悲劇にはならないし、合唱団の人たちが仮面取って話始めたり‘You do something to me’みたいなコールポーターの曲を歌い始めたのでコメディ色の強い感じになってたのはわりと好きでしたね

いつかいなくなっちゃう前にコメディの才能を無視して出来が酷くてもいいから真っ向からシリアスな悲劇撮ってくれないかな。
予言者カッサンドラがここでも出てきて、(I’m not such a Cassandra, I am Cassandra! )イングランドでCassandra’s Dream を撮るしあれはかなりシリアスだったけど、もう一度見ないとどれくらいコメディが混ざってたからわからないね
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