Nove

愛を乞うひとのNoveのレビュー・感想・評価

愛を乞うひと(1998年製作の映画)
4.5
原田美枝子の演技が素晴らしい。表と裏を娘と母親にて完全に別人を演じきっている。見つめる瞳、表情を見事に切り分けている。しかしこれは、巧妙なシナリオによって二つの時代を描いているが、実はひとりの人間の表と裏とも言える。だからこそ二役を演じなければならなかったのであろう。子供にとって親は絶対であり、どんなに殴られようが愛されたい気持ちは、昭和の子供だけが持っていたのもとして終わらせられるのであろうか。激しい雨のシーンにて、二人は別れを告げる。ラストは振り返らずに進んで行く。その先にあるものは、青い空とどこまでも続くさとうきび畑での晴れやかな笑顔である。
Nove

Nove