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グリーン・デスティニーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
剣の達人のリー・ムーパイは戦いから身を引くことを決め、自身の持つ名剣「青冥剣(グリーン・デスティニー)」を信頼できるティエ氏に預けることにする。しかし、何者かが青冥剣を奪っていったため、思わぬ争乱が起こり始める。

◆感想◆
青冥剣をめぐって戦いが起こり、そこから多くの者が命を散らしていくストーリーとなっており、卓越した剣術アクションやワイヤーアクション、ムーパイとシューリェン、シャオロンとシャオフーのそれぞれの恋愛の行方など多くの要素を複合した作品として楽しめました。

登場人物として、以下の5人が中心となります。

(1)リー・ムーパイ(チョウ・ユンファ)
剣の達人で、シューリェンと同門。師の仇である碧眼狐を狙う。
(2)ユー・シューリェン(ミシェル・ヨー)
武術の達人で街で暮らす。ムーパイに好意を持つ。
(3)イェン・シャオロン(チャン・ツィイー)
貴族の娘で政略結婚目前で自由な人生を憧れる。
(4)ルオ・シャオフー(チャン・チェン)
盗賊の長で、以前にイェンと出会って恋仲になる。
(5)碧眼狐(チェン・ペイペイ)
イェンの教育係で武術の師。ムーパイの師を殺害した。

以上が中心となってストーリーが進んでいきます。ストーリーのテンポは良く、映像的に動きの多い構成になっていて飽きることなく観ることができました。

ムーパイの引退、青冥剣の略奪、イェンの結婚、碧眼狐との戦いといったドラマと共に戦闘シーンが豊富にあって、アクションの中にもしっかりと登場人物たちの心情が伝わってきてとても面白いです。

ストーリーのキー・パーソンとなるのはイェンであり、彼女の行動が全てに影響していきます。彼女の心の奥底には自由への渇望があって、好きでもない人物と結婚させられる彼女の心情はとても伝わってきました。この点、ムーパイやシューリェンは結婚が女性の幸せという古い考えに固執していて、イェンの気持ちを理解できない部分も年齢差を感じて面白かったです。また、ルオがイェンを求めて奪いに来るところも若さがあって良かったです。

ムーパイとシューリェンの関係、イェンとルオの関係はそれぞれ恋愛関係にありますが、消極的なムーパイとシューリェンと積極的なイェンとルオの関係は対照的で面白いです。

終盤にはムーパイと碧眼狐の戦いに焦点が集まり、ムーパイとシューリェン、イェンとルオの全員が同じ場所に集いますが、それぞれの思惑の中で、すれ違っていく切なさがあって良かったと思います。

ただのアクション作品ではなく登場人物たちのすれ違う心情にも焦点をあてていてなかなか面白かったと思います。

鑑賞日:2024年1月22日
鑑賞方法:NHK BSプレミアム
(録画日:2023年3月13日)
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