福福吉吉

クリープショーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

クリープショー(1982年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
少年はホラー漫画を隠し持っていたことがバレて、父親にその漫画を捨てられてしまう。その漫画には恐るべき5つの物語が収録されていた。少年の怒りは限度を超えてしまい...。

スティーヴン・キングの原案を基に、コミックマガジン形式で繰り広げられるオムニバス・ホラー。父の日に墓から甦る死者、不貞を働いた妻と愛人を干潮の砂浜に顔だけ出して埋めた男に訪れる恐怖、大学の片隅に眠る木箱に潜む謎の怪物、隕石に触れたため身体中が奇怪な植物に覆われてしまう男の悲劇、潔癖症の老人を襲うゴキブリの群れの5つのエピソードが、文字通りのコミック・タッチで描かれる。

◆感想◆
本作は少年が持っていたホラー漫画に収録されていた5つの物語をオムニバス方式で描くものであり、作品全体を漫画風に演出しているとともに、それぞれの異なるストーリーが楽しめるので、ショートホラー作品として気軽に楽しめるものになっていました。

(第一話)父の日に墓から蘇る父の話
タイトルそのまんまのストーリーなのですが、蘇る父がひたすらにある物を求めており、それが一番恨めしいのかと少しクスっと笑えました。父は生前かなり横暴な人物として描かれている分、蘇る理由との落差を感じました。

(第二話)隕石に触れた男が草まみれになる話
主人公のジョディがかなり個性的でコミカルな印象を受けました。ストーリー展開よりもジョディのキャラクターの面白さが強かったと思います。ネットスラングじゃないですが、本当に草生えましたwww

(第三話)妻とその愛人を砂浜に埋めた男の話
第三話はなかなかサスペンスっぽい雰囲気があって、リチャードが妻の愛人のハリーを連れて砂浜に連行する展開は何があるのかワクワクしました。砂浜にわざわざテレビを持ってきてハリーにそれを見せつけるリチャードの狂った感じとラストの展開がしっかりハマっていました。

(第四話)大学の階段下に隠された謎の箱の話
大学で用務員が昔の木箱を発見し、デクスター教授に連絡してくるストーリーなのですが、木箱の中身に対する興味とともに、デクスターの友人のヘンリー教授とその妻のウィルマの険悪な関係が上手く絡み合って、毛色の異なった怖さを感じることができました。

(第五話)潔癖症の男とゴキブリの戦いの話
タイトルどおりゴキブリが大量に出てくる作品となっており、かなり強烈な映像になっていました。主人公のアプソンは潔癖症であるとともに高圧的で傲慢な人物として描かれているので、結果は笑えるものなんですが、それより先に映像への嫌悪感が走るため、素直には楽しめないストーリーになっていました。

全話終了後、最初に出てきた少年の話に戻りますが、ホラー作品として良い終わり方だったと思います。

怖さよりも楽しさを強く感じる作品で面白かったです。第五話以外は誰でも楽しめると思います。

鑑賞日:2024年6月18日
鑑賞方法:U-NEXT
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