りょう

グリーン・デスティニーのりょうのレビュー・感想・評価

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
4.2
 自分が小学生のころは、1970年代から80年代にかけてのブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画に夢中になりましたが、この作品は、2000年になって本格的な武侠映画として世界中で評価された(復権した)という記憶があります。
 当時は「マトリックス」の直後だったので、ユエン・ウーピンのワイヤーアクションも話題になりましたが、あれから24年も経った現代では、ちょっと過剰な演出という印象もあって、そこに違和感があるという感想もわからなくもありません。
 ただ、そもそも武侠映画ってそういうものだし、独特なファンタジーの要素と解釈すれば、アクションシーンとしてのクオリティはかなりなものです。外国語映画賞を筆頭にアカデミー賞の4冠も納得の作品でした。とりわけヨーヨー・マのチェロ演奏が物語と映像の雰囲気にぴったりです。
 物語は、主に恋愛や師弟関係がテーマですが、まだ新人だったチャン・ツィイーが演じたイェンや碧名剣を基軸にした展開にメインのキャラクターがバランスよく登場します。武侠アクションであっても、原作の文学的な要素を意識しているのか、“静”と“動”のコントラストも心地いいです。
 あまり評判がよくありませんが、個人的には大切な作品のままなので、何年かに1回は観てしまいます。
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