Shelby

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーのShelbyのレビュー・感想・評価

3.8
キャプテンアメリカのルーツに迫る作品。
愛国心強く国のために役に立ちたいという気持ちが人一倍強いスティーブ。だが、受けても受けても試験は不合格。問題は彼のひ弱な身体にあったのだ。身長も低く、胸板も薄いし、肋も目立つ。だが、そんな彼の姿勢を高く評価した博士によるスーパーソルジャー計画の被験者として見事合格。兵士として訓練に明け暮れ、遂に実験を受けてスティーブは超人的なパワーと筋肉を持つ「キャプテン・アメリカ」と生まれ変わった。

正直想定外だった。あのムキムキマッチョで自信溢れるスティーブは、誰もが「サンドイッチを食わせろ」と嫌味ったらしく毒づくほどにひ弱な身体だったとは。路地裏でボコボコに殴られ、助けるのはいつも親友のバッキー。女にもモテず、国に仕えることも出来ない、完全なる弱者そのもの。それが実験ひとつで身体的進化を遂げ、元々備わっていた誠実さや優しさ、勇敢な正義気質なこともあいまり、あれよあれよとアメリカ中で正義の象徴として扱われることとなる。

エンドゲームで見たのが初めてだったペギーの存在。私はなんとなくしか理解していなかったが、今回、ペギーと心を通わせていくシーンを見て、この約束を果たしに会いに行ったのかと思うとじわっと涙が…純愛すぎる。

序盤のスティーブはガリガリで病弱な体つき。どうみたって、役作りでは到底行き着かない仕上がりとなっていた。やはり合成だったようだが、あまりにも顔と体のアンマッチさが目に付いてしまって、違和感が凄まじかった。だが、その姿があったからこそ実験後のムキムキで筋肉質な体つきが際立ってみえる。

実験前に、酒を片手にスティーブと語らう博士。
〝弱者は、力の価値を知っている。そして憐れみも。〟
スティーブの本質を認めたからこそ、弱者であった彼に実験を託そうとした博士。素晴らしい人格者ほど早くに死ぬのはどうしてだろう…

無知な状態で見るとスティーブへの見方が変わる作品。とても好きな作品だった。
Shelby

Shelby