みむさん

アルジャーノンに花束を/まごころを君にのみむさんのレビュー・感想・評価

4.0
チャーリーの知能レベルと文体がリンクしている原作は昔読んで泣いた。

フランス映画版は意外すぎる変更点に驚いたが、こちらのアメリカ映画版はわりと原作通りでありながらも少々違いや省略あり、ラスト付近の悲痛な箇所は描いておらずマイルドに終わっていた。
原作に絶対的に忠実である義務もないと思うし、大筋を損なわないほどよいアレンジなので、どちらも良かったと思う。
こちらの主演クリフ・ロバートソンも素晴らしい。

急速に知能を得て失う人間性、脳の変化に内面の成長がついていかない。
IQが劇的に上がるのは夢のような話だが、やはり自然の摂理に反した「改良」はどこかに支障が出てしまうのか。それもそのはず人間やその他の生き物はマシンではなく、愛情や感性を伴って成長していくものだから。道徳感はそこで自然と身に付くもの。

そんな今まで当たり前だったことを改めて思い知らされる、哲学的要素も含むストーリー。

知能以外の内面の発達がなくなってしまうとそれに伴い人間味が欠けてしまう姿を見ると、感情は人間を形成する大きな要素なのだなと思う。

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