みおこし

アフター・アワーズのみおこしのレビュー・感想・評価

アフター・アワーズ(1985年製作の映画)
3.6
来たるGWに、生まれて初めてニューヨークに弾丸で行くことになり、ニューヨークが舞台の作品を慌てて鑑賞しております。
そんな背景もあって、スコセッシ作品コンプリートを目指しつつも未見だった本作を鑑賞!

IT企業でワープロ技師として働くポールは、仕事帰りにカフェで出会った美女マーシーと連絡先を交換した。早速電話をかけたところ、自宅に招待され淡い期待を抱いて向かうがそれが世にも不運な一夜の始まりだった...。

いやーーー、こんなにもアンラッキーが連発する映画は初めて。ごく普通のサラリーマンがわずかな煩悩を抱いたために大変な目に巻き込まれるというブラックコメディ。
側から見ているとついつい笑ってしまうんですが、自分がポールだったら発狂するだろうなというくらいにはツキに見放されてます。天に向かって叫ぶシーンはもう爆笑間違いなしですが、とにかくかわいそうすぎる(笑)。
ある種普段のスコセッシ監督らしからぬ作品で、彼が当時軽いスランプに陥っていて初心に戻るために苦心して作った一本だったのだとか。

ポール以外、どこか一本頭のネジが外れている登場人物ばかり。冷静に向き合って見たらどう考えたってアヤシイのに、トラブルに巻き込まれ続けるポールは藁にもすがる思いで彼らに頼ってしまいます。
ツボがおかしいマーシーはじめ、メンヘラど真ん中のジュリー、パンクすぎる謎のカップルのキキとホルストなど、枚挙にいとまがない変な人たちのオンパレード。個人的に一番ツボだったのは、チーチ&チョンがカメオで演じているコソ泥コンビ、ニールとぺぺ(笑)。明らかに不審者感丸出しでもうツッコミどころ満載、最高でした!
不具合が起きたレジを狂ったように蹴りまくるバーテンのトムもすごかった(笑)。

ニューヨークではこんな奇想天外なことや、人間不信に陥るようなことはザラなんでしょうか...。ちょっと行くのをためらうくらいには(笑)ありそうでありえないドタバタトラブルをリアルに描いた傑作。
みおこし

みおこし