豪華だけではないとんでもドキュメンタリーだった。ただただ各々が溝口を語る。それだけなのに見入ってしまう。
真面目過ぎて振り切れていると言うか何というか。溝口が入院していた病院を収めるだけでなく、セット内での愛用尿瓶まで出てくる心意気!妻の病院医師や看護師まで語るなんて現代では考えられない!
特に田中絹代が語るところは声を出して笑ってしまった。4月に入ってクランクインが夏って!この難波女みたいなぁ。たくさん語っていたけど彼女も女優なわけで。真実はいくつもあるんだろうけどこの言葉のどこまでが本当なんだろうと思いながら眺めていた。
作品で感じた緻密さはこうして作られていたんだなぁ。去年の夏は溝口健二とたくさん向き合ったけどまた彼の作品を追いかけたくなった。そして、リハ3日かかったらしい浪華悲歌のすき焼き食べよを噛みしめて見直したい。