オーウェン

大空港のオーウェンのレビュー・感想・評価

大空港(1970年製作の映画)
4.0
1970年代の初頭のアメリカ映画界は、いわゆる”アメリカン・ニューシネマ”ブームで、体制批判的なテーマの映画が横溢している中にあって、この映画「大空港」は、ハリウッドらしいスペクタクルとドラマを蘇らせた作品だ。

アーサー・ヘイリーの原作の小説「AIRPORT」は、1968年から1969年にかけて、アメリカだけでも400万部を売り尽くした大ベストセラーの映画化作品だ。

オールスター・キャストで描かれる、スペクタクルと赤裸々な人間模様。
この映画の面白さが、スリルと抜群のスペクタクルだけにとどまらないのは、そういった名優たちの演技を通して、一人一人の人物を克明に描き上げ、見事な存在感を持たせているからだ。

しかも、カメラは一人の俳優だけを追うのではなく、画面には常に二重三重の人物が描き込まれていく。

1940年代から活躍するハリウッドの巨匠、ジョージ・シートン監督の実に厚みのある名演出が、この映画の粋を味わわせてくれる。
オーウェン

オーウェン