千年女優

深く静かに潜航せよの千年女優のレビュー・感想・評価

深く静かに潜航せよ(1958年製作の映画)
3.5
第二次大戦下。米国海軍に所属する潜水艦士官で、「魔の海域」と恐れられる豊後水道で同胞を四隻沈めた日本海軍の駆逐艦「秋風」への復讐を誓うリチャードソン。上層部を説得して潜水艦ナーカ号の艦長に就任した彼が、本来の艦長で辞退を表明していたところを説得で従えた副長ジムらと豊後水道での再戦に挑む様を描いた戦争映画です。

後に『ウエスト・サイド物語』と『サウンド・オブ・ミュージック』で二度のオスカーを獲得するロバート・ワイズが、現役中に十個の勲章を獲得した潜水艦士官上がりの作家エドワード・L・ビーチのベストセラーを映画化した1985年公開の作品で、魚雷を始めとする潜水艦描写の正確さが評価されて潜水艦映画の代表作のひとつとなりました。

潜水艦ものの花形「駆逐艦vs潜水艦」で潜水艦側を主人公にした物語で、マスターピースながらもミニチュア感の強かった前年の『眼下の敵』から格段にアップした臨場感ある戦闘描写で魅せます。文字通りの「息を潜める」潜水艦ならではの高度な知略での攻防にエモーショナルな館長と副官の関係と娯楽戦争映画として十分以上の一作です。
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