ろっち

アレクサンドリアのろっちのレビュー・感想・評価

アレクサンドリア(2009年製作の映画)
4.3
4世紀終わり頃、東ローマ時代のエジプトで活動したギリシャ系の数学者・天文学者・哲学者、ヒュパティアの伝記。
ヒュパティアの無惨な死をきっかけに多くの学者たちが亡命して、古代の学問の中心地、アレクサンドリアの学術的力は崩壊して、ギリシャの数学・科学・哲学の歴史は終焉する。っていうのが後の話。

キツイ話だった。現代に産まれていれば素晴らしい人生を歩んでいたに違いない。
いつも思う、戦争や紛争で歴史は作られ、宗教をトップに迫害や差別で構成されている。日本でも仏教対神教の対立もあり、仏教の宗派間での争い、そして戦国時代を経て江戸末期、戊辰戦争〜明治維新で現代社会へと突入し、世界大戦を経て今がある。
宗教戦争でズルイのは「聖戦」という言葉で片付けてる事。虐殺と何ら変わりないと思う。魔女?異教徒?ユダヤ?同じ人間だろう。
この映画で改めて感じた。賢く慕われても、宗派のトップの言葉で、全てが間違った方向に進んでしまう。心では違うと思いながらも従わないといけない。心までも隠さないといけない。自分の心を隠さなければヒュパティアのようになってしまう…
ラスト泣きながら口を塞ぐ所なんかはいたたまれない。
英知の中枢である図書館破壊と書物を燃やすとは愚かだ。それがなかったら、もっと早くに今の世の中が出来ていただろうなぁ。と……

まぁ多くは語るまい(笑)の私が「大好きな世界史物きたっ!語ってやる!己の主観を語ってやるぞ〜!(ベジータ口調)」で、たまには語るの巻(笑)でした。
ろっち

ろっち