ShotaOkubo

サンライズのShotaOkuboのレビュー・感想・評価

サンライズ(1927年製作の映画)
5.0
映画というのは、複製技術のうえに成立している。言ってみれば、複製の対象にカメラ(仮借のない吟味の機械)を向けることで画面に生成する運動の生なましさをいかにとらえるかを至高の目的として自らに課する。それゆえ、映画の美というのは、物語に属するのではなく、複製の対象とその運動に属するものである。映画は、美というものを、発明するのではなく、発見すること、それを獲物のように捕まえること、事象からほとんど掠め取ることが、映画の使命である。この映画の有名なショットの数々はもちろんのこと、物語に有効に介入することのないハイヒールを履いた足のショットひとつで映画を震わせている。それは物語の枠を軽々と超えて、作品の一部におさまることさえどこかで回避するかのように、映画そのものの真実ともいうべきものに、見ている者をふと向きあわせてしまう。
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