マイノリティ

サヨナラ COLORのマイノリティのレビュー・感想・評価

サヨナラ COLOR(2004年製作の映画)
5.0
これで何回目か分からない程観ている作品です。

スーパーバタードッグの名曲「サヨナラCOLOR」からインスピレーションを受けた俳優の竹中直人が脚本、主演、監督した、ラブストーリーです。

竹中直人扮する佐々木昌平の勤務する地元の病院にある女性患者が入院します。

患者、及川未知子は佐々木の高校時代の初恋の人で彼は在学中の3年間一度も未知子と口を聞いた事がありませんでした。

今でもあの頃のまま、綺麗で魅力的な彼女にときめきを隠せない佐々木は頻繁に彼女の病室を訪ねます。

が、現在の彼女は佐々木の事を全く憶えておらず、佐々木は昔話や先生の物真似などをして何とか思い出させようとします。

ぎこちない2人の関係が打ち解け初めた矢先・・・。

今作はキャストがとにかく素晴らしく豪華で、佐々木役の竹中直人は勿論、中でも佐々木が想いを寄せる未知子役の原田知世が役にピッタリで、とてもチャーミングです!

他にも未知子の彼氏の段田安則のチャラ男っぷりもいいし、佐々木と不思議な関係を持つ居酒屋の女将の中島唱子、佐々木の病院のレントゲン技師の内村光良、女医の中島みゆき、佐々木や未知子の同級生に忌野清志郎などなど、ほんの数秒しか出ない出演者の中にも意外な人が沢山出ています!

今作は観る人によっては「何か、幼稚でワザとらしい」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、僕にはその幼稚さが主人公、佐々木昌平の純粋な心情が上手く表現されていると思いました!

美しく幻想的なカットもあり、まるでフランス映画のワンシーンみたいでした!

終盤、悲劇的な出来事が起こりますが、何故か悲しくないです。

そして、エンディングで流れる、ハナレグミと忌野清志郎が歌う「サヨナラCOLOR」。

緩やかに始まり緩やかに終わる。

そして心が穏やかになる。

そんな素敵な作品です!