BOB

マンディンゴのBOBのレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
3.9
アメリカ南部における白人の黒人奴隷支配を描いた歴史ドラマ。

1840年代のルイジアナ。奴隷農場の経営者が、一人の奴隷(純血のマンディンゴ)をベアナックルボクサーにするため訓練する。

🥊×🥊

セックス、ヴァイオレンス、拷問。
評判通りの衝撃作だった。公開年が1975年ということを考えると尚更。大ヒットしたものの、映画史から抹殺されかけたというのも理解できる。アメリカの白人にとって都合の悪い過去を、包み隠さず映像で見せたという意味でとても価値のある作品だと思った。

まさにアメリカの黒歴史。悍ましすぎて信じ難いが全て事実なのだという。
〈黒人を交配・種付けして、売買する奴隷牧場ビジネス。奴隷主は奴隷と寝放題。白人の妻は、黒人奴隷を同じ人間とは思っていないのでお咎めなし。生まれた子供は売る。黒人奴隷は資産であり、家畜と同様血統書がある。奴隷制度は神が創ったものであり、奴隷には魂がない。黒人を診る医者は獣医。奴隷を釜茹でする。〉

白人男≫≫≫白人女>黒人の構図。待遇の違いはあれど、白人男の"所有物"であるという点では、白人女も黒人も変わらない。自由は与えられず、軽蔑の対象となる。そして、不満や怒りの矛先は下へ下へと移っていく。

パケ写にもなっている、奴隷主が黒人少年を足置きにする絵が象徴的。リウマチ療法とかいう謎理論が登場して笑ってしまった。

タランティーノ監督が本作からインスパイアされた『ジャンゴ』を制作したり、昨年デジタル・リマスター版が公開されたりと、近年見直されつつあるようだ。名作『風と共に去りぬ』が描かなかった、裏ドラマ的な側面もある。

オープニング&エンディングの鎮魂歌"Born in this time"♪。他の音楽は、華麗な貴族映画かと想わせるほど優雅な感じ。

純血マンディンゴの股間を弄る未亡人のドイツ人女。

📝マンディンゴ・・・高値で売買された黒人奴隷の血統。タフな体に、優れた身体能力を持つ"最高ランク"。

"I'd rather die than be a slave. You peckerwood! That's tight, you peckerwoods was in oppressed in your own land. We was free. Then you brought us here, in chains. But now we here, you just better know it's as much our land as it is yorn. And after you hang me, kiss my ass!"

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