KingKazukiManji

マンディンゴのKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
5.0
とてつもない差別が描かれていて、今の我々が観たら、これが実際の歴史だったとは信じられないくらいにはショッキングで、奇妙なことが起こっていた。けれども更に俺を困惑させたことが、本作が物凄く面白かったということだ。

最初から胸糞全開で、黒人を資本として見てない白人の姿を見せられているはずなのに、物凄く物語が巧みに作られていて、ハモンドとミードの友情物語と、ブランチとエレンの三角関係、そして黒人達の叛乱へと向かうストーリーが、まぁ見事だった。そしてラストが好きすぎた。タランティーノが絶賛するのも頷けた。声を大にして好きとは言いにくいのだけど、かなり好きな映画だった。

基本的に今の感性からしたら、そうとうズレているんだけど、何故かハモンドやミードに感情移入してしまう作りが怖かった。そういう側面や、ブランチがエレンに嫉妬するシーンなどが、ブラックスプロイテーション映画と定義付けられている要因なのかなと感じた。

黒人を動物として見ていて、白人が資本を増やすために黒人を繁殖させる、所謂奴隷牧場を正面から描ききっていることが、素晴らしいと思った。

見ていて、家畜人ヤプーに似ているなと思ったけど、あれは奴隷牧場をSFに昇華させた物凄いエネルギッシュな作品であったのだなと思った。
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