鍋山和弥

極道の妻(おんな)たち 決着(けじめ)の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストシーンは、この『極妻』シリーズの、半分お約束のような、ケジメと言う名の、極道に生きた女の、復讐劇で、終わるのだが、人間関係や、出来事は、かなり複雑な物になってる。特に、注目は、『カスガ』を抑え、主人公格となっている『キョウコ』。極道が、生き辛くなった、この時代、旦那の『ギンジ』は、金稼いで、カタギとして、生きようとしていた。その『ギンジ』の金に、目が眩んだ者によって、『ギンジ』は、殺された。犯人は、『ナゴシ』。かなり、金に、強欲な性格を、していた。『キョウコ』は、愛する『ギンジ』を殺され、そのショックで、お腹の子を、流産する。そんな、心が、空虚になった中、自分に、恩義を感じている、『トウゾウ』の、極道としての、心意気に、惚れ込んでいく。愛する人を失い、再び、愛する人を得る、この『キョウコ』心情は、作品に、深みを、与えたのではないか?やはり、仁義を、尽くさねば、極道ではない。例え、極道に、仁義が無くとも、そんな極道に、利用される女は、いても、惚れ込む女は、いないだろう。少なくとも、僕は、そう思う。この仁義が、無ければ、極道物は、面白くない。況してや、『極妻』シリーズなら、尚更だ。
鍋山和弥

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