あべきょ

ドライヴのあべきょのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
4.2
寡黙な仕事人が主役の作品がそもそも好みなのだが、これは個人的に久々にベスト10に入る勢いで良かった。

類似の作品で例えると、
設定は『ベイビー・ドライバー』で、
雰囲気は『ブレードランナー2049』。

ブレードランナー2049とはまた違うハードボイルド主人公のライアン・ゴスリングがまず最高で、運転中の横顔はもちろん、あらゆるカットでの表情や雰囲気がの控えめなカッコ良さ(low-key cool感)が堪らない。2049しかり、この手の役柄が最高にハマるライアン・ゴスリング。
アイリーン役のキャリー・マリガン、『ブレイキング・バット』のブライアン・クランストンもキャラが立ちすぎずジャストな存在感。
synth waveをフィーチャーしたサウンドトラックもハードボイルドな雰囲気との相性は抜群で、ほとんど描かれない主人公の内面を控えめに演出することで作品全体の味気なさを上手くカバーするどころか、心理面での味わい深ささえ与えてくれる。

比較的質素な前半と比べて後半はバイオレンスな描写も増えていくが、エンタメ性を確保するために取ってつけられたようなものではなく、エスカレートしていくアイリーンへの想い(庇護欲?)とリンクされつつ効果的なアクセントになっていたのも素晴らしい。
あべきょ

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