二十数年ぶりに見ました。悲恋で悲しかったというぼんやりとした記憶しかなかったんだけど、改めて見て、中国の歴史をしっかり描いていることに驚きました。大きな時代のうねりに翻弄される人々。その時々の場面でそうせざるをえなかった選択、行動、そして裏切り。悪い印象しかなかった菊仙も、今改めて見ると強い女性で魅力的。それにつけても文革の激しさと、その結果壊してしまったものの多さを思うと呆然とする。途中何度かここで蝶衣は死を選んでしまうんじゃないかと思える場面を乗り越えて、文革後ようやく京劇を演じることができるようになったところで自ら終わらせるのが切なかった。彼は覇王別姫の虞美人として生を終えたかったのかな。王に愛された姫として。