さらば、わが愛 覇王別姫の作品情報・感想・評価

さらば、わが愛 覇王別姫1993年製作の映画)

霸王别姬/Farewell My Concubine

製作国:

上映時間:172分

ジャンル:

4.1

「さらば、わが愛 覇王別姫」に投稿された感想・評価

ヒルコ

ヒルコの感想・評価

4.5
何度見ても感想が変わらない映画ってのも不思議。小豆を女にしたのは石頭だし、蝶衣を狂わせたのも小樓で、でも最初に救ったのも同じ石頭。小樓は男らしく正義漢であり且つ女々しくて長いものに巻かれやすくて自信過剰で優しい。そして菊仙は女らしく、弱くありつつも強くそして卑怯でもあり母性もある。蝶衣はそのどちらでもなく、だからこそ菊仙を憎み、頼り、呪う。どちらにもなれないものとしての蝶衣が下した結末は本当に胸が張り裂けそうです。そしてレスリー・チャンがどうしてこの役を引き受けたのかを思うと同じように感慨深い。
ろく

ろくの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見ようと思っていた作品の一つ。
レスリー・チャンの熱演が素晴らしい。
時代に翻弄されながらも最期まで京劇役者として、虞美人としてあろうとした姿が美しい。
それだけに小四に役を取られた時の悲しみが凄まじくこちらまで泣けてくる。
作中の蝶衣はまさに両性具有の完璧な存在であるというか、むしろ性別なんてどうでもいい程に非常にドラマチックな主役だった。
が、ちょっと全編が長過ぎるようにも感じる。とても美しい映画なのですが。

あと、菊仙のあり方がフワフワとしていて終始彼女の考えや行動に「??」と思うところがあったのですが、映画と原作では展開や登場人物の性格が異なることやその他の情報を得たので、とりあえず原作小説を読んでみたい。
コン・リーは好きなんでけどね…。
これ凄いですよ(笑)
製作に抜かりがない!!
そんで綺麗。

映画は好きですけど
歴史モンって正直
興味持って見れないんですよ
でも、これは秀逸
普通にドキドキしながら見れた


レスリーチャンもインタビューで語ってたんだけど「蝶衣が唯一の幸せを感じれる時は舞台に立っている時だろうね」まさにその通りだと思います。舞台以外がキツすぎる人生感なんですよ。
蝶衣が良心で拾い上げた小四はえらい育ち方してしまうし…
ラストも覇王別姫というストーリーに重ねてるので幸せっちゃ幸せ…でも悲しい…
島倉千代子さんの「人生いろいろ」が我々に突き刺さる感じです。


個人的には坊主になった少年期の小豆子が可愛くて良いなって思いました(笑)
skk

skkの感想・評価

4.1
目まぐるしく変わる近代中国史を京劇の世界を通して知ることができる。序盤から強烈な稽古のしごきがあり、その過激さが中国的直接性をもって作品全体で描かれる。京劇という伝統芸能が社会の変化によって崩壊していく過程は痛々しく、国のトップが誰になっても人々の苦しみは続く。レスリー扮する虞姫が呆然と佇むシーンは短くとも印象的なものばかりだ。また、ここまで悲劇的な三角関係も類がないだろう。
なお、日本人は京劇を大切にした、ということも紹介されている。他国の文化を大切にする人間でありたいものだ。
Pen

Penの感想・評価

5.0
レスリーチャンが本当に美しい
ストーリーも中国の歴史を背景に、三人の関係を見事に描き切ってる
感動した
MiYaTa

MiYaTaの感想・評価

4.5
本当に彼らの人生を生きたかのような重厚感。思うに、人生もまた舞台。定められた運命という役を引き受け、死ぬまでそれを演じ続けなければならない。
カッコつけた理屈はここまでにして、ただただレスリーチャンが美しい。作品のテーマ、淡いトーン、演出、他の展開の全てがレスリーチャンの女形のシーンのためにあるのではないかと思うほどの美しさ。あえて言葉としては出てこない男色の気も、脆弱さと表裏一体の美をグロテスクなまでに際立たせている。
時代と運命に翻弄されながらも、人生を舞台に賭け人生を演じきった人間のリアルな生の質感が、この映画の中には確かにあった。

そしてこんな映画がパルムドールとった翌年に、パルプフィクションがパルムドールとっちゃうようなカンヌが私は大好きだ!
croissant

croissantの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

一番好きな映画です。
こんなに長いのに何度見ても見飽きる事がない。
どこまでもレスリー・チャンを追ってしまう感じに陥る。
だから袁卿の「ひとたび微笑めば永遠の春が訪れ、ひとたび涙すれば永遠の悲しみに襲われる。君の為にあるような詩だ」が自分の気持ちから出たセリフのように感じてしまう。
レスリー・チャンはもうこの世にいないけど、あなたの美しさを超える人もこの世にいないと思う。哀しさも激しさも妖しさも絶望も全てを「美しい」の一言に集約する、こんな人は。

本当にすごい大作。よくぞ作り上げた。
いしだ

いしだの感想・評価

5.0
見てるときはほんとに重くて苦しいんだけど、3時間ずっと激動の時代に生きる登場人物の激情を受け止め続けて、見終わったあとの心の充実感?がすごかった。あと俳優が美しすぎる。
【激動の中国情勢の中で繰り広げられる愛と欲望と裏切り】
◉1993年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
自分の中に眠っていた何かが沸々と熱を帯びていくような感覚。舞台は1920年代から1970年代の中国・北京。戦争と革命の激動の中で、京劇の『覇王別姫』を演じる覇王役の小楼と虞美人役の蝶衣。子供の頃から京劇の暴力とパワハラに耐えながらトップスターへと上り詰めた2人。楽観主義の小楼と彼に「兄さん」(血縁関係はなく精神的な兄弟)以上の想いを抱く蝶衣とのコントラスト。そしてそこに入り込んでくる女郎で小楼の妻となる菊仙。嫉妬により冷静でいられない蝶衣、強気な菊仙、そして2人の間で板挟みになる小楼という三角関係が人間同士の不安定さや脆さを表現している。
今回初めて『覇王別姫』というものを知った。なんとも妖艶で危険で悲劇的な話である。虞美人を演じる蝶衣の美しさに驚愕。そして小楼と蝶衣の関係性が舞台上の『覇王別姫』のストーリーになぞられている二重構造も興味深い。
中国の歴史ロマン大作で172分という長さだけれども、いやはや、これくらいの長さで丁度いい満足感。社会情勢に翻弄される人々を描くにはやっぱりこれくらいの時間が必要である。
蝶衣を演じたレスリー・チャンについて調べたら、彼も若くして悲劇的な死を遂げていて、虞美人と蝶衣が本人にも憑依してしまったかのようでこれまた胸が熱くなる。
中国映画はあまり馴染みがないけれど、素晴らしい作品だった。
いや、なかなか色んな意味でエグい映画です。レスリー様の美しさと醜さが混在して彼の複雑さが堪能できる。ただ彼の必死さに対する踏み込みが甘い。大河小説的に味わうには文革の恐ろしさばかりが勝ってしまい、「全体主義って怖い」が強く残る。己を失わせるほどの大義とはなんだろうか。変節を許容せざるを得ない人間というものへの嫌悪と憐れみ。
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