マイオールタイムベストの一つ。
決して報われぬ激しい愛を抱え、
激流の時代に翻弄されながら、
ただひたすらに演じ続ける…
ティエイー=レスリー・チャンを
思うと、いつ観ても涙を禁じ得ない。
美しい映像の中に、
情愛の全てが詰まっている作品。
昨今は巨大市場として、
ハリウッドへも影響を及ぼす中国。
しかし自分の中にある中国映画は、
「芸術性」と「社会への深い眼差し」
とがあわさったもの、という認識。
この憧憬と敬意は、今作
「さらばわが愛、覇王別姫」と
チアン・ウェンの「太陽の少年」の
存在に裏打ちされたものだ。
心を打ち震わせ、抉り取る、
そんな強烈さを持ち、かつ美しい。
これは日本や韓国にも、
もちろんハリウッドにも、
ヨーロッパにもない感覚…
ではないかと勝手に思っている。
※鑑賞履歴を振り返ったら、2013年、2016年と観ていて、そして今回2019年と、図らずも3年おきに観ていることになる。人生のバイオリズム的なものあるのかわからないが、こんな感じできっと一生観続けるのだと思う。