すー

点と線のすーのレビュー・感想・評価

点と線(1958年製作の映画)
4.5
オープニングの曲調から、演者紹介の荒々しい字体から、大好きな予感。ワクワクが止まらない。

「点と線」は前にビートたけし主演のテレビドラマで観たときは割とあっさりしていてイマイチだった感想なのですが、今回の映画で一新された。
小説と同じ時代の58年に制作されたということもあり、街の風景や移動手段が当時のそのものだったため、何から何まで歴史的価値を感じて、素晴らしく思えた。

香椎駅の駅看板は味があるし、日常的に女性が着物を着ているものも良き。
東京から青森まで特急で17時間とか。そこから青函連絡船に乗って全員客員名簿を手書きで記載する部分やら、もう古臭くて胸がキューてなった。

お話もナイスな時刻表スリラー。
そして政治と金のきな臭いにおいが漂い始める戦後からの脱却を感じた。

政治主導から経済主導の国へむけて舵を切り始めた日本。まだまだ変わってゆくのはこれから。生きること重視だった時代から儲けることが重視される時代で、悪い奴が現れ始める。悪い奴らのキャラ作りは松本清張が加速させるのであった…!
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