千年女優

ヴィレッジの千年女優のレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
2.5
アメリカのどこかに存在する深い森の奥にある、語られざる怪物の存在を信じて「森には決して立ち入るべからず」という古くからの掟を守りながら自給自足の生活を送る小さな村。そこに住む村長の孫娘で盲目の少女アイヴィーが、村で起こったある事件をきっかけに村の真実へと迫っていく様を描いたM・ナイト・シャマラン監督作品です。

『シックス・センス』の大ヒットですっかりどんでん返しのビックリ箱監督のイメージのついたシャマランらしい「登場人物が真実を知ることで新たな一歩を踏み出す」物語で、「盲目の少女を主人公に、目に見えぬ真実に至らせる」というあまりに分かり易くてあからさまなコンセプトに気恥ずかしさを感じつつも一方で清々しさを感じます。

弱々しさの中にも凛とした強さの見えるブライス・ダラス・ハワードの佇まいもあって興味を持続するだけの推進力もあります。それでも物語の真相と全容はシャマラン作品ではしばしば垣間見える、描く主題とは裏腹の無知や無垢らの弱者への容赦のないサディズムを感じてしまうもので、果たしてこれで良かったのかと疑問が残る一作です。
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