キュラソー

見えない恐怖のキュラソーのレビュー・感想・評価

見えない恐怖(1971年製作の映画)
3.9
ここまで見事に伏線を張って回収されると、ただ感心するしかない。
とはいえ一番印象深いのは、ノーマン・アシュレイがバスタブに沈められたミア・ファローを助け出しつつも、その隙に後ろから逃げようとする殺人鬼を制して殴って気絶させるところを、省略無しのワンカットで見せてしまうところ。当たり前のように思えるが、救出と捕獲とをそれぞれ異なる動作として同時進行で見ることって意外と無いし(銃撃によって敵を行動不能にすると人質が同時に解放されるというような、救出と捕獲とが銃撃という動作一つで同時に完了するのとは違うという意味で)、それがしかもワンカットで撮られていることとか、殴るときの鈍い音とかとも相まって、妙に生々しい時空間が構築されていた。

殺人鬼が片方の足のつま先をもう片方の足の踵に擦り付ける仕草、たしか『ダーティハリー』にもあったけど、何か元ネタがあるのだろうか。
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