「見えない恐怖」に投稿された感想・評価

叔父一家のもとへ帰ってきた盲目の主人公は恋人へ会いに行く。
楽しいひとときを過ごすした彼女は夕方に帰宅したが一家は不在で
次の日も外出先から帰ってくると人の気配がないことに気付く。
恐怖に駆られた彼女が家中を回ると、そこには…
                 (あらすじ引用・記録)


目の見えない主人公に忍び寄る恐怖を描いた作品
映画古い映画なので
多少、臨場感に欠ける部分はあるけど
それでも、どうなっちゃうんだろう・・ってハラハラした。

リメイクが出るようなので観てみたいです。
実験的スリラー。「名作」というより「良作」って感じ。この頃の怖いのってジワジワ系が多い。

犯人の足しか映さないという厳しい制限を設けているが、足元って意外にも雄弁というか、人となりがわかるもんなんだな。

この頃のミア・ファローって少し本田翼っぽい。グッド!
盲人の設定を上手く利用したカメラワークと演出。

主演の女の子が、家族死んでるのに気付いてからのトチ狂った感じは最高。おもわず笑ってしまう所が多々。

あとは犯人の姿はほぼ足元しか見せへんのに、犯人の性格が如実に分かるのは心地よかった。

1つ気に食わなすぎたのは盲人の主観ショット。
盲目の主人公が襲われるホラー映画とのことで鑑賞。これは怖い!徹底して犯人の姿を足元しか映さないこととカメラワークがさらに恐怖を煽ります。面白かった!しかし犯人の動機が怖いよ…あとラスト

このレビューはネタバレを含みます

ずっと顔が見えない分ラストのお前誰だよ感があったけど、それが逆に爽快だった。
「JACK」じゃなくて「JACKO」だ!のくだり笑っちゃった。

車の運転は気をつけよう。
ミア・ファローの自室に繋がる赤の間、最初二回は正面からで三・四回目は階段からの仰角ショットなど間取り好きには大好物。惨劇の裏での馬の遠乗りの秋の美しさと解放感のギャップ、そしてラストの屋敷の門に群がる野次馬の視線の不穏さもたまらない
ミア・ファローが家族が殺されたことに気付かずに就寝してしまうまでの一連のシーンにおけるハラハラ感が凄い。
盲目のミア・ファローの主観ショットがあったのが気になる。

このレビューはネタバレを含みます

1960年前半にボストンを震撼させた凶悪犯を描いた『絞殺魔』(1968)
1949年のイギリスで好々爺を装いつつ婦女子への凶行を繰り返したジジイを描いた『10番外の殺人』(1970)
それに続くのが今作『見えない恐怖』ですね。

原題の"See No Evil"は

「見ざる、聞かざる、言わざる」

に当たる英語のことわざ、

"See No Evil, Speak No Evil, Hear No Evil."

から。
TELEVISIONの曲名にあったり、同名の別映画も作られたりしてます。
"Speak No Evil"はウェイン・ショーターのアルバムを思い出すなあ。



エンターテイメント作品としては3部作の中で一頭地抜けてますね。

サスペンス、ミステリーとして優れているのは勿論のこと、
カラフルな画面やバーンスタインの優雅な音楽、薄幸美女がヒドイ目に合うという危ないフェチズムも魅力的。

ギラついた目でハァハァいいつつ婦人を手にかけるジジィ(『10番街の殺人』)も出ないし、少女、老婆、お構いなしに凶行を繰り返す二重人格サイコ野郎(『絞殺魔』)も出ません。



形式としては『ファニーゲーム』に代表される"ホームインベイジョン"もので、とりわけこのジャンルの場合"お金持ち"って設定に説得力があるのが好きなんですよ~。

被害者たちがハイソな暮らしをするブルジョワ家族だからこそ、事件の理不尽さや残虐性が際立つのが一つ。

もう一つは、お金持ちだからデカイ家に住めるという必然性が生じること。
デカイ家って画ヅラ的に楽しいです単純に。
広いから内装の情報量が豊富で、人物の移動にも自由がきいてアクション性も高められる。

今作だと真っ赤なカベ、真っ赤なじゅうたん、ミア・ファローの真っ赤な衣装などなど、
観てるだけで自脳の視覚野が喜んでるのが分かります。



敵の得体の知れなさも見どころ。

スピルバーグの『激突!』同様、体の一部しか画面に映らないし、一言も喋らない。
しかも犯行の動機が「この家族むかつくわ~~」程度で大義も何もあったもんじゃない。
そんなアブナい奴が自分の家にいるんですよ、知らん間に。怖すぎるでしょ。

どんなに緊張する怖いシーンが続いても
「自分は傍観者」
という絶対的な安心感がその先に待っている。

サスペンスやホラーを観て楽しめる理由は色々ありますが、ひとつにはコレです。

いったん恐怖や不安でマイナスに振れた感情が、観客というポジションを自覚したり、緩和する展開が挟まることでゼロ地点に戻る。それを脳みそが快感と錯覚する。だから人はサスペンスを求める。



それがホームインベイジョン映画の場合、
「自宅すなわち世界でいちばん安全な場所」
という安心感さえ揺るがされるのがタチ悪い(褒め言葉)!

あまつさえ今作や『クリーピー』や『ヒメアノ~ル』など、完全無差別で凶行に及ぶ連中もいると思うとオチオチ寝てられやしない。

侵入者が『ホーム・アローン』のジョー・ペシみたいにマヌケな盗賊ばかりだったら安心なのにね~。



しかしそれだけ、恐ろしい目に合うミア・ファローの演技が活きてます。
もともとほっそり色白で、いかにも幸の薄そうな美人ですから、とばっちりで災難に合う役が非常にハマるんですよね。

監督もついイジめたくなっちゃったんでしょうか。

シリアルキラーに狙わせるだけじゃなく、
狭い小屋に閉じ込めたり、
泥沼を這いずり回らせたり、
『サイコ』よろしく風呂場で暴行を受けたり、
地味にガラスの破片を踏んでケガさせたり。

あんな足で泥んこの上を走り回るもんだから破傷風にならんかずっと心配でした。

『ローズマリーの赤ちゃん』でも疑心暗鬼でどんどん精神すり減らしていく演技がハマりまくってましたが、今作でのSAN値の削られ具合も秀逸です。

『ローズマリー』といえば、ポランスキー監督の奥さんのシャロン・テートも同じような状況で残忍な犯行に見舞われたわけですから、身の毛がよだちますね。



音楽の使い方も面白くって、ホント好き。

事件と離れた平穏なシーンでは、エルマー・バーンスタインによる優雅なフルートとストリングスの調べに、観ながらウットリ全開でした。

特に、枯れ葉の舞う森をミア・ファローと彼氏が馬で駆け抜けるシーンなんかため息が漏れるほど美しいです。
『ヘンリー&ジューン』でドビュッシーをバックに森を自転車で駆け抜ける男女たちのシーンを思い出しましたね~。



それに対してクライマックスでは、一切無音!

被害にあった家族たちが初めて画面に映るシーンでも、ヒロインがグワーッ!と襲われるシーンでも、「そ~りゃ怖いぞ!」というイカニモなBGMは全く鳴らない。

聞こえるのはミア・ファローの高く引きつった悲鳴のみ。この方が断然コワイので実に懸命な演出だと思います。



カメラワークの重厚感も素晴らしい。徹底的にローアングルを強調しており、原則として人物の目線より上から撮られることがない。
かつファローを遠巻きに撮ることで「付け狙われてる」感も演出されます。
対象物のアップと引きをギュギュオ!とハイスピードで行う手法も緊張感が高まります。



細かい部分だと乗馬が趣味の彼氏がちゃんと馬顔なのがいいよね。ぜったい狙ってキャスティングしてるよねコレ。

あとミア・ファローが靴とくつ下を脱ぐシーンが多くてドキドキしました。

それから序盤で登場したジプシーについての
「厄介な奴らです」「害はないわよ」「益もないですよ」
という短いやり取りに、後半のミスリード演出が暗示されてるの粋です。





とりあえず今作と逆設定の『ドント・ブリーズ』も早く観ねば。
久々に“サスペリア”のようなどきどきを感じました。
主人公が盲目なだけに、「あー!なんでそっちいっちゃうのー!もう!」っていうので余計にハラハラできました。
ピンチの時に助けに来てくれるスティーブみたいな人が近くにいてくれたらなあ。
見えないってこういうことなんだよね。犯人の動機とかどうでもよくなるぐらいカメラワークとそれによる恐怖がものすごい。また見たい。
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