MASAYA

天使のくれた時間のMASAYAのレビュー・感想・評価

天使のくれた時間(2000年製作の映画)
3.7
人生で一番感動した映画『素晴らしき哉、人生!』をモチーフにしたファンタジー映画。

テーマは〈もしあなたが存在しなかったら〉ではなく〈もしあの時別の道を選んだら〉というもの。

主人公のジャック(ニコラス・ケイジ)は13年前に恋人ケイトの反対を押しきってロンドンへ留学。その後ウォール街で大成功を収め、結婚はせずに大手投資銀行のMDとして優雅な独身生活を謳歌していた。
しかしクリスマス・イヴの夜、
スーパーで銀行強盗の天使(ドン・チードル)に出会う。天使は「これから起こることは、あんたが招いたことだ」と謎の言葉を残して去って行く。
翌朝目覚めると、そこは高級マンションの我が家ではなく、そこは普通の庶民的な家。
そう、13年前にロンドンへ行かずにケイトと結婚したという〈もうひとつの人生〉を送っていたのだった……

朝起きたら、人生のターニングポイントで別の選択をしていた生活になっていたらそれは驚きますよね。環境はまったく違う上に、過去に接した人たちにも認識されないってどう考えても辛いです。このシーンは特に『素晴らしき哉、人生』を思い出しました。
改めてニコラス・ケイジの狐につままれたような演技は目を見張るものがあると感じました。

『素晴らしき哉、人生!』では"自分の存在しない世界"という残酷な体験をさせることによって人生の素晴らしさを実感させたのに対して、本作では金の亡者になったジャックに"別の選択をした世界"言い換えれば本当幸せを味わえる世界を体験させ、本人に気づかせるという点が魅力的だと思います。

ただ、結論を言えば、大した感動はしませんでした。ニコラス・ケイジは好きな俳優ですし、人生における幸せの本質についても触れていて、素敵な映画ではあるのですが、どうもラストが納得いきません。

天使が意地悪というか、演出が下手というか、、、
現実的に元の世界に戻ってからの彼女との再開というのにはムリがあるし、そこからでは体験したような人生を送ることは不可能なのではと思いました。
雪が降る空港の景色は綺麗なのですが感動がついてきません。

そしてどうしても許せないシーンがひとつあります。
もちろん自分はプレゼントというのは値段より気持ちが大切だとは思っていますよ。
けれども結婚記念日に「Ermenegildo Zegna」のスーツを欲しがる彼に
「ZEENA 」とかいう擬似ブランドも安スーツをプレゼントは酷くないですか?(;´Д`)
自分だったら恥ずかしくて着れないです。タグの部分の「ARMANI」が「AR"N"ANI」になっているみたいなもんですよ(ノД`)

スーツなんて全部同じでしょ!とかいう安易な思考が読み取れて悲しいです。
そんなのよりは気持ちのこもった手紙とか手作りの写真たての方が100倍うれしいというものです。
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