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亀は意外と速く泳ぐのkaitomoのレビュー・感想・評価

亀は意外と速く泳ぐ(2005年製作の映画)
4.1
スパイもの…ではなく、日常コメディ。
目立たない主婦がスパイになり目立たないように生活するだけで、何かがおこりそうで起こらないし、緊張感も、そんなにない。その設定とシュールさで押し通すかと思いきや、最後まで観ると変化が訪れるときのワクワクと不安が案外ちゃんと描かれていたと感じられた。後味も絶妙。
とくに序盤は笑えるような笑えないような変人達の小ネタにしらけてしまうとキツイ。岩松了とふせえりのコンビに出会い、スパイになってからは、楽しくなってくる。この二人のノリが合わないと最後まで辛いと思うが、あらゆるボケはさしてつっこまれずに流される。笑いを強いられている感じがしないのは良い。たまにツボに入って大笑いするシーンもあった。
上野樹里の前に出すぎないのほほんとした魅力、それと対照的な蒼井優の溢れ出る魅力に惹かれる。
そして、皆が肩の力を抜きまくった演技をしている中、松重豊の哀愁漂う深みのあるキャラクターが際立って素晴らしい。カッコええ。
久しぶりの鑑賞で、序盤不安になるほど乗れなかったが、やはりこの作品は好きである。
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