えいこ

蒲田行進曲のえいこのレビュー・感想・評価

蒲田行進曲(1982年製作の映画)
3.7
何度も見ているけど、時々また見たくなる映画愛に溢れた熱い映画。
松坂慶子の小夏が、綺麗で母性的で可愛らしくてとても好き。

銀ちゃんの虚勢と小心、ヤスの情けなさ、情にほだされやすい小夏、みんなどうしようもなく、そういう振る舞いしかできない。そんな人間らしさが、誇張されてコミカルに描かれ、舞台を見ているよう。一般社会で考えたら、ホントにヒドい理不尽な上下関係とDVの連鎖。

ヘラヘラ媚びてばかりのヤスが、だんだん肝が据わり銀ちゃんの振る舞いをなぞるように変化していく。一方で、破天荒に見せていた銀ちゃんは、孤独で傷つきやすい等身大の男になっていく。二人の間で揺れ動く小夏の台詞にはいつも泣かされる。松坂慶子の声は切なさがとても似合う。挿入歌もよい。

最後の撮影前の監督の各スタッフへの確認シーンの緊迫感とワクワク感。映画が大勢の人によって作られていることをあらためて実感する。
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