MASAYA

狂い咲きサンダーロードのMASAYAのレビュー・感想・評価

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)
3.9
【今日から俺が新しい『魔墓呂死』の頭だ】

明けましておめでとうございます!

レビュー初めの作品は何にしようか悩みましたが、色んな思いを込めて本作にしました。


舞台は荒廃した近未来で、幻の街サンダーロードで繰り広げられる暴走族の話です。

時代の変化に合わせ、各暴走族の幹部は休戦協定を結ぶのですが、武闘派グループ「魔墓呂死」の特攻隊長である仁とその一派は納得できずにいた。そこで忠告も聞かずに孤立し、それでも自分達の信じた道を突き進むが...

とにかく最初に受けた印象は「破壊力が凄まじい」の一言につきます。

ジャケットからして既に“普通の映画じゃない感”がぷんぷんしてますが、こんな映画滅多に出会えるものじゃないと断言できます。

正直なところ粗削りなのは否めませんが、それも込みで一種の青春映画のような仕上がりになっています。

荒唐無稽なストーリー展開、スーパー右翼などというよく分からない組織、全編を覆うバイオレンス、すべてが魅力的です。

とりわけ主人公の仁さん(山田辰夫)はめちゃくちゃカッコよかったです。
一匹狼という言葉は彼のためにあるのかもしれません。

ラストの復讐の鬼と化した姿には胸を打たれました。
とてつもなくアツいです!

全身のフル装備といい、展開といい、なんとなく和製『マッドマックス1』感を醸し出しています。

実は本作、本物の暴走族をキャストとして起用しているため、撮影中にノーヘルやスピード違反、2ケツなどで補導されたりとトラブル続きだった上に、製作費がなくなれば監督がペンキ塗りのバイトをしてフィルムを買うなどと苦労話がつきない作品なんですよね。

そんな曰く付きの製作過程を経て完成させた、石井岳龍(※当時は聰亙)の正に血と汗と涙の詰まったデビュー作を劇場で観ることができてよかったです。

2017年は就活があり、そして体育会の部活生として部活動を行う最後の年になりますが、後悔のないよう1年間“狂い咲き”たいと思います!

皆さん本年もよろしくお願いします!


2016.12.12
MASAYA

MASAYA