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狂い咲きサンダーロードのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)
4.6
幻の街サンダーロード。街中の暴走族が集まり、警察の圧力で、「愛される暴走族、になろう」ということで、グループの解散の会議が開かれていた。“魔墓狼死”のリーダー・健(南条弘二)もその中にいた。そこへ、“魔墓狼死”の特攻隊長、片桐仁(山田辰夫)が仲間を連れて現われ、出席者をメッタ打ちにしていった。仁は権力に屈服する暴走族に我慢がならなかったのだ。サンダーロードは仁たちの天下となった。
一方、これを心よく思わないグループは報復に出た。この両者の睨み合いの中に“魔墓・狼死”のOBで、今、右翼団体のオルグ、剛(小林稔侍)が現われた。
そして、仁、茂などが剛に引き取られることになった。訓練の毎日が続き、茂はしっかりした右翼青年になり、剛の愛人にもなった。しかし、根っからのハミダシ者の仁は、そんな生活も馴染めず、組織から去っていく。
サンダーロードに帰って来た仁を、平和を乱されると、暴走グループが襲いかかった。仁の意識が戻ったとき、片手、片足がなかった。再びオートバイに乗れない体になった仁は、シャブ中毒の悪ガキ小太郎と指名手配中のマッドボンバーのオッサンに出会う。
そして、二人の協力で仁は全身武装の殺人マシーンとして蘇る。自分をこんな体にした暴走連合軍や剛に憎悪をたぎらせ、三人の軍隊はサンダーロードに向かう。動揺する街。
連合軍は右翼と結託し、仁をこの世から抹殺する謀議を図る。軍団を陣頭で指揮するのは、かっては仁の部下であり、今ではすっかり成長した茂だ。
オッサンのバズーカ砲が火を吹き、戦いの火ぶたは切っておとされた。
オッサン、小太郎の協力で、次々と敵を倒し、激しい戦いの末、仁は遂に連合軍を倒すのだった。
少年時代からスピードに取り憑かれていてレーサーになることが夢だった石井聡伍監督が、ただスピードや自由を求めて暴走する奴らを描いたバイオレンス映画。
鋭過ぎる目付き、ビシっとキメたリーゼント、クールに着こなす革ジャン、相手が誰だろうとタンカ切りまくる狂犬ぶりを見せる片桐仁が、道路交通法改正で「俺たち愛される暴走族になろうての!」と警察にしっぽをふるかつての仲間たちや自分を飼い慣らし兵隊として使い捨てる右翼集団に、片手片足を無くし完全武装して暴走連合や右翼団体に挑んで蜂の巣にされても立ち向かっていく姿は、まさにロックンロール。
ショットガンや拳銃などで完全武装した片桐仁が、暴走連合や右翼団体に挑むクライマックスの銃撃戦は、自主映画と思えない迫力。泉谷しげるやPANTAなどのごりごりのロックナンバー、中でもオープニングを飾る「電光石火に銀の靴」そしてエンディングに流れる「翼なき野郎ども」は、印象的。
「面白えじゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!」
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