sxxi

ツリー・オブ・ライフのsxxiのレビュー・感想・評価

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)
-
この作品は間違いなく神に捧げられたものである。
そしてそれは観ている観客のための祈りではない。おそらくテレンス・マリック監督自身が神に求める自らへの救済だ。
自然光にこだわり撮られた世界の中はまるで印象派の絵画を見ているようでありながら、あまりにも近くに神の存在を感じさせる。
宗教における「木」は生命や進化の象徴とされることが多いが、それに準えてか宇宙や惑星、やがて人類が創造されていく。我々の全ては与えられたものなのだと再認識させるかのように。
2001年宇宙の旅でも感動を作り出した、ダグラス・トランブルが特殊効果監修をしていると知って納得がいった。こんなに明確に神の存在を感じる映像体験は初めてだ。一個体の狭き世界の絶望にこそ平等に神は居るのだろう。
この作品に関しては必死に理解することよりも、赤ん坊のように無垢な心でただ愛されることを望む方が良いのかもしれない。
sxxi

sxxi