KOH

ツリー・オブ・ライフのKOHのレビュー・感想・評価

ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)
4.9
何なんだこれは、ふざけているのか。馬鹿にするな。こんな映画があってたまるか。二度とこんな映画見たくない。

ただ、
何故、涙が止まらないのだ。
何故、0.1秒たりとも目が離せないのだ。
何故、全身の鳥肌と痙攣が起こるんだ。
何故、自らの両親と兄弟、そして自分自身についてばかり考えてしまうのだ。それも怒りや憐れみや愛を伴って。

鑑賞後、力が抜けて倒れ込む。まるで私の半生を神がじーっと付き纏い続け、いま目の前でネタバラシをされている感覚。それくらい自分の人生と恐ろしく重なる部分が多く、とても他人事には思えない映画体験。
立てない。脱水症状の様な感覚に陥り、深夜に這って部屋を出る。

10時間も20時間もこの映画を見ていた気がする。この映画を昔から知っていた気がする。この映画に私は壊されたのかもしれない。まるで『メッセージ』でヘプタポッドの言語を得た主人公の様に、自らの未来を垣間見た様な気分すらする。気持ちが悪い、もう寝よう。
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