録りっぱなしのBlu-rayお片づけ強化週間
1960年の市川崑監督作品
強いコントラスト、モノクロ人着カラーのような彩度で心理的な効果を生む銀残しという手法を使った世界で初めての映画
撮影監督の宮川一夫が銀残しの生みの親
この銀残しはその後海外にも影響を与え、「セブン」「マトリックス」などにも使われている
ファッション寄りの写真においても今では珍しくない手法で、銀残し(ブリーチパイパス)効果は画像編集アプリのプリセットに普通に組み込まれている
そのまま英語になったボケ(bokeh)もそうだけど、日本人の映像美学が世界標準となっていることはものすごく誇らしい
物語は原作が作家幸田露伴の娘、幸田文の自伝的作品であることを踏まえないとやや唐突な設定のように思える
文語調のセリフ、演劇的な演出もあってスッと染みいる感じではないけれど感情移入を前提としない淡々とした進行がかっこいい
銀残しによるトーン、大胆に暗部を取りこんだ画面構成で大正時代の屋内と家族の関係値がよく伝わってくる
ダイナミックな構図、カメラテクニックが随所に見られて息を飲む
岸恵子、岸田今日子の存在感が素晴らしい
端役ながら江波杏子の美しさが光っている
エンディングが見事