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緋牡丹博徒 お命戴きますのbluetokyoのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 お命戴きます(1971年製作の映画)
2.9
助っ人としては、鶴田浩二さん(地元やくざの親分で百姓の味方)、若山富三郎さん(熊虎親分)が登場するが、実は、ほとんど何もやっていない。ということで、初めて、緋牡丹お竜、単独の主役作品といえる。なのに、最後から二番目である。
最後の殴り込みシーンは、梶芽衣子さんみたいで、かっこいいのだが、もはや、これが限界なのかもしれない。任侠映画はこうして最期を迎えるわけだ。

簡単にあらすじ。
緋牡丹お竜が上州へ現れる。チンピラがイカサマを咎められてやくざに追われているところに遭遇。緋牡丹お竜、チンピラを助けてやる。
このシーンが、あまり、伏線になっていないのが残念だ。

緋牡丹お竜がある賭場へ。イカサマの嫌疑を受けそうになったが、それを見抜いた。チンピラもその手に引っ掛かったのだ。争いに巻きまれるが、結城組の親分、結城菊太郎(鶴田浩二さん)に助けられる。

結城菊太郎は、一帯の農家が、軍需工場からの公害で、農作物が被害を受けていることに対して、抗議していた。

実は軍の畑中大尉、工場を経営する大村、富岡組の親分、富岡仁八の三人がグルになって、農民の訴えをつぶしていたのだ。

ある農家の娘が売られていくのを結城菊太郎が助けたがその帰りに、何ものかに襲われて殺された。

急を聞いて緋牡丹お竜は駆け付けるが遅かった。

緋牡丹お竜は、陸軍大臣に直訴する。相手にされなかったが、陸軍大臣は熊虎親分と知り合いだった。ということで、陸軍大臣は緋牡丹お竜の訴えを聞くのだった。

実は、農民に補償金が出ていたが、畑中大尉、大村、富岡親分の三人で山分けしていたのだ。
こりゃあ、やばいぞ、オレは返すからな、と大村が騒ぎ出す。そんな大村を富岡親分が絞め殺し、こいつが、全部、使い込んだことにしよう、ということになった。
しかし、天井裏にいた冒頭のチンピラ、なぜいたのか、不思議だが、緋牡丹お竜の恩に報いるためなのか。とりあえず、全部、話は聞いたぜ、と言って、逃げ出す。敵に切られながらも何とか逃げ切る。
忍者かスパイみたいなことをやってくれるわけだが、説明がない。

緋牡丹お竜が通りかかると、負傷したチンピラがいた。たぶん、緋牡丹お竜の通り道をあらかじめ知っていたのだろう。実は、そういう特殊能力を身に着けたキャラだった、という風にはまったく見えないのだが。

虫の息のチンピラは緋牡丹お竜に悪人どもの企みやらなにやら云々を言うのだった。言い終わると息を引き取る。緋牡丹お竜はすべてを承知する。
なにを言ったのか、すっ飛ばしているので、わからんし、そもそも、そんなことを短時間で伝えるのは不可能と思えるけど。

ということで悪事を知った緋牡丹お竜は、結城菊太郎の葬儀の場へ乗り込む。実は、結城菊太郎の葬儀は、何食わぬ顔の富岡親分が取り仕切っているわけだ。畑中大尉も出席している。

葬儀に乗り込んだ緋牡丹お竜、富岡親分へ、お命、いただきます、とやる。高倉健さんの死んで貰います、を狙ったのだろうけど、まったく反響なしだったのは残念だっただろう。

緋牡丹お竜は、のちに梶芽衣子さんに受け継がれていったということだろうか。
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