まいしほ

美しき冒険旅行のまいしほのネタバレレビュー・内容・結末

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

よくわからないところもあったけど、まず前半は美しい映像に惹きつけられるし、あの3人で割と楽しそうにサバイバルしているところが見ていてなんか心地いい。音楽もとても良い。後半には、この作品が描いているテーマについて色々と考えが頭を巡ってきて、面白い… 長く、心に残るような映画だと思う。

アボリジニの少年が求婚(求愛)のダンスをする場面が特に印象に残った。私はその前の少年の発言を字幕で理解しているし、第三者的に見てるから少女への愛を示しているのかなと想像できるけど、正直意味を知らないと不気味で怖いと感じてしまう。弟は「きっと家を見つけて嬉しいんだよ」とか言ってるのに対して、姉は完全に少年のことを怖がっている。そして、翌朝自分を拒絶されたと感じた少年は自殺している…究極の文化の違いみたいなもので、切ない。まだ幼くて柔軟性のある弟と良くも悪くも大人になってきている姉の対比が印象的だったな。言語に関しても幼い弟の方がアボリジニの少年の言葉を理解(しようと)していたし、そもそも最初に会ったときから姉はこれ以上簡単にできない!とか言いながら英語で意思疎通しようとしてたのに対して、弟はジェスチャーを使ってたし。
ラストの白人の男が出てきたところで、アボリジニの少年の純粋な優しさのようなものを改めて感じさせられてつらい。ついに英語が通じる人を見つけたと思ったら、全然助けてくれないなんて…

ジェニー・アガターについても触れないと。声とか話し方含めて、全体的に美しい人だな〜。今も続いてるイギリスドラマのコール・ザ・ミッドワイフでこの女優を初めて知ったんだけど、歳を重ねても素敵な人。脚がものすごく綺麗なので、制服のミニスカートが死ぬほど似合ってた。

はっきりとは言わずに、観客がそれぞれ感じ取って、考えるような作品なので、他の人の感想を読むのが特に面白い。

疑問
途中のピンクのワンピースを着た白人の女性が出てくる場面がいまいちよくわからなかったんだけど、あのウォークアバウト中の少年も普段は置物を作る仕事をやらされてたとか?
まいしほ

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