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たそがれ清兵衛のmikumiku1188のレビュー・感想・評価

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)
4.8
サラリーマン(藩士)の悲哀を描く傑作。

妻を亡くし、母と幼子二人を養う下級藩士。藩の務めを定時でこなし、同僚の誘いには一切のらず宮使えに徹していた。ところが剣の腕前を見込まれ藩の抵抗分子の殺害を命じられてしまう。しかもその相手は幼馴染の武士だった・・・。
自分の生活を必死で守ろうと感じている武士が藩命(社命)に逆らえず死を覚悟の上殺害に向かう。業務命令には抵抗があっても従わざるを得ないサラリーマンの宿命に似た悲痛な想いを感じる。

真田広之演じるじっと耐え忍ぶ武士の姿が身につまされる想いを感じさせ、その冴えない武士を慕う宮沢りえさん演じる女性の姿がいじらしい。
山田監督の初時代劇と思うがさすがの作品で見事です。
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