ウスバカゲソウ

黒い家のウスバカゲソウのレビュー・感想・評価

黒い家(1999年製作の映画)
3.5
再見。
原作が好きだから解釈違いというか監督の作家性がノイズになってしまう。
久しぶりに見たらこれはこれで良く思えた。

とにかく黒い家のロケーションと美術勝ち。
よくこれだけ禍々しい家を見つけて、創り出した。
和製『悪魔のいけにえ』。
ガスタンクや町工場など、相変わらず街の切り取り方が上手い。
ロケハンの天才。
今は消えてしまっただろう街並みや風俗の記録。
時間経過による熟成。
不気味な音使いや不安を煽る画作り。
不自然な空の暗さには笑う。

若い内野聖陽が見れるのもポイント。
大竹しのぶの怪演は確かに見事。
好き嫌いは分れるとは思うが。
小林薫の潰し屋もいい味だし、町田康の刑事も短いながら印象的。
森田流キャスティング。
ただ、西村雅彦はどうなのか。
ヤバいのはこいつ感が無い。
いや、大竹しのぶの飛び出し具合からしてミスリードは放棄しているか。