室園元

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序の室園元のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

初めて観たのは中学生の頃の金曜ロードショーでの放送。格好良いロボットが見たこともない(これも格好良い)敵と戦うアニメに興奮した思い出がある。
中学の国語の先生はエヴァが大好きだった。放送を観てから間も無く先生の所へお喋りに行ったが、当時見栄張りだった僕は、エヴァの全てを知ったかの様に話して結果沢山の論破をされた。くぅ、恥ずかしい思い出だ。

高校の頃の同級生で、マーベル映画が公開される度に共に観に行く友人がいる。彼から先程「エヴァいつ観に行く?」と誘いの連絡が来た。エヴァを共に観に行く約束は交わしていなかった筈だけれども嬉しいので行こうと返した。
然し観に行く前に一通りの復習は済ませておきたい。新劇場版も、テレビ版も観た筈だが昔の事なので殆ど覚えていない。そんな理由で観賞。

皆が言ってる事だが、いきなり呼び出されて敵と戦えとは酷な話だと思う。強く同情しちゃう。然し他の映画でもっと酷な状況はあるだろう。何故彼に限って同情してしまうのか。
それはきっと彼に自分を見出してしまうからだろう。ウジウジしてるし、父と確執あるし、なんだか自分の人生で見た光景があるからだろう。

リツコさんの「今の男は自分にしか興味がないのよ」という言葉にぎくりとする。

ミサトさんが、自分で決めたからには責務を果たしなさいと言っていたけれども、僕が14歳の頃はそんな難しい言葉は分からなかった。知識として知ってはいた、実感が無かった。いきなり放り込まれた世界で難しい言葉を沢山浴びで変なマシンに乗り込んで、人類の命運が君の手に掛かっていると言われて、実感無いまま戦うシンジ。

この間「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ。大学の友人に読んだよと言ったら「面白いよな。あれ読んだ人皆がホールデンは俺だと言うんだよな」と彼は言った。

「シンジは俺だ」は素直な感想だ。然しこれに負けてなるものかという感じもする。時代に負けてなるものか。

昔観た時よりも印象が違う。騒がれるだけの作品なんだなと実感する。シンエヴァ4月中に観に行けると良い。
室園元

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