あでゆ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のあでゆのレビュー・感想・評価

3.4
世界を壊滅状態へと導いた「セカンド・インパクト」から15年後。14歳の碇シンジは、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、謎の巨大生物“使徒”と戦う人造人間エヴァンゲリオンのパイロットに任命される。使徒との戦いが困難を極める中、地球存続のための任務を背負う彼らは、ある国家規模の作戦を実行に移すことになる。

後に投稿する『シンエヴァンゲリオン 劇場版:||』を見るために5年ぶりくらいに再鑑賞。当時から時間が経っているせいか、自分なりに解像度が上がっていることに気がついた。
とはいえ基本的にサーガの中でも物語が最もわかりやすい範疇で、大きな流れとしては何も変わっていない。ただしCGが多用され、ラミエルなどのグラフィック表現が見違えるほどになっていたり、テレビアニメ版で時間つなぎとして用意されていたエピソードがカットされているため、かなり見やすくなっている。

また、「序」の段階でシンジくんにミサトさんが物語の革新的部分を打ち明けてしまうことで、発表まで間がある続編の前に物語のモチベーションを用意すると共に、シンジにある種の覚悟と目的意識を持たせるという小さいがなかなかクリティカルな変更を行っているという点も評価できる。

また、エヴァンゲリオンの戦闘シーンを含めたメカニックな部分へのフェチズムが本作ではテレビアニメ版と比較して大きく後退している。
これはおそらく、「序」の段階で既に「ガンダム」に匹敵するロボットアニメーションを作るというモチベーションは既になくなっており、本来的な特撮・ウルトラマンを作りたいという欲求に差し代わっているんだろうなと邪推できた。
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