雨丘もびり

トイ・ストーリー2の雨丘もびりのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)
4.2
【正直すぎよPixar😭】
再観賞してあらためて感じる難点は、オモチャの現実問題にあまりにも真正面から挑んだ結果、どう頑張ってもコレHappyEndingには到達できませーん!という絶叫絶望のなかで、こりゃ軟着陸するっきゃないだってDの意志を継ぐ映像会社なんだもん!てトコじゃないかしら。
これはねー!悪く言ったらダメよwwwしょうがないよ!
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1は「捨てられたらどうしよう」っていう不安がテーマで、
2は「将来的に絶対捨てられる(っていうか捨てられた)」絶望がテーマ。
どう転んだってこのテーマに救いは無いし、どう取り繕ったって悪者は観客たるヨイコのみんなじゃんw。だけどそんなハヤオやアンノみたいな大人気ないことできないっしょ!だからおりこうにまとめるしかないわけよ。
それに、場当たり的なゲーム的展開が(1の完璧さと比べて)浅いとはいえ、「目の前の遊びに全力で生きる」っていうオモチャイズムと共鳴する話運びだと言えないことも無きにしもあらずかもしれません。ん?合ってる?
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色褪せない美しい保存状態を保って永遠の観賞対象となるか、傷付こうが劣化しようがリアルな観客との勝負に興じるライヴアーティストとして生を全うするか。
そういう、どっちもアリな結末に着地しても良かった気がするけどさ。
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しかし、さてもさても。
新キャラ、ジェシーの生い立ちもつらいけどプロスペクターもかなり。。。
アニメの脇役のおもちゃって主役と抱き合わせじゃなきゃ売れない印象あるし、ワゴンセールで叩き売られる苦痛は耐えがたいかも...ってちょっと思っちゃいますよね。あの歪み方もわかるっていうか、彼らは被害者だよなって思う。
ほら!このシリーズ結局さ、幸せなおもちゃより不幸なおもちゃの設定の方がボコボコ浮かぶわけじゃんw。
結局、故障したり飽きられたりそもそも見向きもされなかったりして惨い結末が待っているという...てゆうかそれオモチャに限らず人間の私たちも同じよね。。。
ほら!殺伐とすんじゃんw。心が荒むじゃん。
だからクライマックスはやむにやまれず、アニメっぽいフィクションで薄めて薄めて、なんとか”ぼんやりした不安(芥川)”をまとったイマココHappyEndingに汗だくで漕ぎつけたわけで。見事だと思いますよ。
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アニメ映.画の製作者にとって、とてもとても手に余る辛辣な現実問題を前に、多少ヌルい物語になっちゃうのは仕方ない気もするし、むしろ破綻を承知で果敢に挑んだ製作者たちの健闘を私は讃えますよ。
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【今回の好きなセリフ】
Look! I'll doin' the box step!
(どうだ!わしのオハコのステップは!)