以前鑑賞した『ツィゴイネルワイゼン』と同じく、虚構と現実の際の世界を行き来している感覚。ギョッとしてしまうようなモチーフは前作より少なくなっている気はしたけど、役者の力というべきか、松田優作の佇まいにやられる。
カット割も特徴があるような気がしていて、夢の世界のようで、その一方、愛憎劇として確かな現実を見せていることも感じ取ることができて、納得感がある。
美術に対するこだわりは特に素晴らしく、『時計じかけのオレンジ』に出てきたミルクバーを思い出す。すごく耽美的。
難解には違いないから、観るのに体力は使いました…
[2021年 133本目]