Yurari

家族の肖像のYurariのレビュー・感想・評価

家族の肖像(1974年製作の映画)
3.5
静かな生活を送っていた老教授。上階の空き部屋に目をつけ、教授の気に入った絵画を交渉材料にほとんど強引に間借りを始めたリッチな夫人。夫人の愛人・コンラッドがそこに住むことに。
ここからがもうドタバタ。
ちなみにこの映画、2つの部屋と階段で全てのシーンが撮影されている。これもドタバタホームドラマ風。(時代的にはこっちが先なのは言うまでもないが)

人嫌いな教授かと思いきや、騒がしい彼らを食事に招いたり(ドタキャンされるシーンは心が痛んだ・・)、面倒をみたりと、何かと世話を焼く。
部屋の中に隠し部屋がある、鍵を何重にもかけるなど、相当神経質な人だと思っていたので、あまりに早く彼らを受け入れたのに違和感があったが。・・いや、本当は人々と関わりたかったのか?生身の人間とうまく接する事ができないから、肖像画を集めたのか?肖像画に描かれた家族と会話や喧嘩をした、とも言っていたし、やはり交流に飢えていたのだろう(ここだけ聞くとボケ老人?!という感じだなぁ😅実際は知的で聡明な人!)

この映画の大きな見所は、建物・インテリアの素晴らしさだろう。教授の部屋とコンラッドの部屋の雰囲気がまるで違っていて面白い。私はモダンなのより重厚な雰囲気が好きだから、教授派だな〜。

当たり前だけど、家族というのは騒々しいものだ。コンラッドの手紙に息子、とあったのにはグッときた。騒々しいけど愛おしい。深さはそこまでないが、印象に残る作品だった。

・・映画とは全く関係ないが、コンラッド役のヘルムート・バーガーは、バナナフィッシュのアッシュっぽいなと思った。美形!
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