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北の螢のマツキのレビュー・感想・評価

北の螢(1984年製作の映画)
3.0
北海道開拓時代の過酷な労働に従事した囚人たちとその上官、彼らを取り巻く女たちの愛憎劇。監督は五社英雄、脚本は高田宏治、撮影は森田富士郎がそれぞれ担当した。阿久悠がスーパーバイザーとして参加している。

明治16年、北海道開拓における道路建設のために囚人たちによる強制労働が行われており、石狩平野の樺戸集治監(刑務所)では、鬼の典獄と言われた月潟が采配を振るっていた。そこへ、ゆうという女が現れる。月潟は国の役人の視察の際に賄賂を送り、ゆうを慰みに遣わせた。その見返りとしてゆうが要求したことは、服役中の愛人・男鹿孝之進の赦免であった。男鹿は接見に来たゆうに、月潟を殺すように命じる。数日後、男鹿は刺客に襲われて重傷を負ってしまうのだが…。

オープニングの美しいナレーションは夏目雅子だった。虹子もそうだけど話し声のトーンと品のある声音が素敵です。疲れている時に聞くキャンキャン声も大きな話し声もうんざりするので、声は大事である。

五社英雄映画でのサービスカットの口火を切った仲代達矢と岩下志麻の愛欲シーンは、達さんの目力が凄すぎて立つもんも萎縮してしまう塩梅。自分の住んでいる地名や北海道という土地に愛着を持って眺める。まさに陸の孤島である。冬の北海道の凍てつく寒さと男と女の愛憎劇。森進一の唄も歌じゃなくて、唄がしっくりくる。

早乙女愛の躯とか決して吉原炎上程豪華ではないが、芸者の姐さんらの着物の色彩が匂うように美しい。若い夏木マリの猥雑な眼差しもよいのです。さくらんみたいなお洒落おいらんには出せない趣と業が腰を据えておる。

土屋アンナの開脚の数段生めかしいぜよ。アベノミックスだかヒロミックスよりアラーキーや

山小屋でヒグマに襲われるシーンの熊のクオリティたるや、くまがでるぞ~程でも無いが、血まみれのテッドみたいだし、初めて映画館で見たキングコングを思い出した。幼稚園児のあたいは、あの四角い中にゴリラを飼ってるんだなー凄いなー。ポップコーンは食べるかな?なんて本気で思っていたのに今となっては、リアリズムの宿なんです。して北か南ならしっくりくる宿は、北にあるんじゃなかろうか。寒さが男と女の距離を縮める言い訳になるだろう
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