とらキチ

ゴッドファーザーPART IIのとらキチのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
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「午前十時の映画祭12」にて鑑賞。
“ファミリー”を守り抜く為に“ファミリー”を失ってしまう…
以前鑑賞した時の記憶が朧げで、マイケルとヴィトー、クロスカッティングで同時進行する二つの物語ということで混乱しなかったっけ…とか思っていましたが、今回改めて観たら全然そんな事はなく、むしろわかりやすくてビックリしました。200分もの超長尺作品だけど、ダレ場一切無し!その巧みなストーリーの繋げ方に「やっぱコッポラスゲ〜わ!」と思わされる。
よく“お笑い”で語られる「緊張と緩和」の理論で言えば、マイケルパートはずーっと緊張。緊張しっぱなし。対するヴィトーパートでほんのり緩和、と言ったところか。でも冒頭の兄、母親が殺され、命からがらNYに渡って…という幼少期のヴィトーの悲惨な境遇からすると、よくぞここまで緩和のテイストに持ってくるものだと感心してしまう。
ストーリー構成の巧みさもそうだが、シーン毎の見せ方、編集の巧さもやっぱりスゴくて勉強になる。個人的に好きなのが移民船が到着するNYのシーン。あの“自由の女神”の見せ方が絶妙で、移民達の心情を思うと泣けてくる。「海の上のピアニスト」でも同じようなシーンがありますけど、今作の方が巧いと思う。もうひとつがフレドの最期の見せ方。アレは本当に素晴らしくて、直接的にソコを見せるのではなく、マイケルのカットで銃声を鳴らし、その前後のシルエットショットでわからせてしまう、という演出、編集にとにかく唸らされた。
ヴィトーの誕生日の回想シーン。あのシーンにコルレオーネ兄弟妹達の関係性が凝縮され、更にはマイケルの孤独も強調されていて、いろんな意味で泣けてしまった。ちなみにマイケルが大学を中退して入隊したのは海軍ではなく海兵隊。ちゃんと“Marine”って言ってますので字幕は誤訳。
全然関係ないんですけど「午前10時」が始まる時って最初に作品タイトルと次回上映作品が紹介されるじゃないですか。今日はそれが「ゴッドファーザー」次回作「ゴッドファーザーPart2」って出てきて「嘘でしょ⁈」ってメチャクチャ焦りましたけど何事もなくちゃんと「Part2」が始まって安堵しました😅
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